「経営改善計画」とは

財務上の問題を抱える中小企業が金融機関から返済条件の緩和等の支援(返済額の低減、期間の延長等)を受ける際には、経営改善計画書の作成が必要となります。

この「経営改善計画書」には、企業の概要、改善のための具体的な施策、5カ年以上の損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、金融機関別返済計画等、経営改善が確実に実行されることを示すために多くの事項を盛り込む必要があります。

(経営改善計画書サンプル)

このように難易度の高い経営改善計画の作成を自力で行うことは、多くの中小企業にとって現実的ではありません。
経営改善計画作成においては中小企業診断士や税理士、経営コンサルタント等が支援を行っていますが、金融支援を必要とする中小企業がこれら専門家への報酬を負担するのは困難です。

そうした中小企業を支援するために、経営改善計画の作成にかかる以下の3つの支援策が用意されています。

1.中小企業再生支援協議会による事業再生支援
2.経営改善支援センターによる経営改善計画策定支援
3.保証協会による経営サポート事業

以下、それぞれについて解説します。

1.中小企業再生支援協議会による事業再生支援

中小企業再生支援協議会は各都道府県に設置されており、窓口相談や債権者調整等を含む再生計画の策定支援を行っています。
再生計画(経営改善計画)の作成支援だけでなく、関係金融機関との調整を行ってくれるので、借入先の金融機関が多い企業に向いています。

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2.経営改善支援センターによる経営改善計画策定支援

中小企業経営力強化支援法に基づき国の認定を受けた「経営革新等支援機関」(以下「認定支援機関」)の支援を受けて、中小企業が経営改善計画等の策定を行った際に、中小企業が認定支援機関に支払う費用の一部を国が負担してくれます。
経営改善支援センターは、この費用の一部負担のための利用申請の受付・内容チェック・支払い手続きなどの業務を行う機関です。
同センターも各都道府県に設置されており、小規模の県の場合は中小企業再生支援協議会と一体運営されているケースもあります。
こちらは関係金融機関との調整は中小企業もしくは認定支援機関が自身で行う必要があるので、借入先が少ない企業に向いています。

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3.保証協会による経営サポート事業

信用保証協会利用者に対して、経営診断や経営改善計画作成支援を行う事業です。
保証協会の利用者限定ですが、上記の2事業と異なり無料で行っている協会もあります。
ただし、各地の保証協会によって事業の内容や料金等は異なるので、ご利用中の協会にご確認ください。

大阪信用保証協会の例

自社はどれを利用したらいい?

自身の会社はどの支援策を利用したらいいか迷うこともあると思います。
まず、自社の借入の大半が単一の信用保証協会の保証付融資であれば、その保証協会に相談してみてください。
その他の場合は、借入先金融機関が1箇所、または借入総額に占める一つの金融機関の割合が8割以上であれば経営改善支援センターに相談し、それ以外の場合は中小企業再生支援協議会に相談されたら良いかと思います。
しかし、この区分は決して確定的なものではないので、支援策の選定においてはメインバンクとよく相談してください。

最後に

以上、3つの支援策をご紹介しました。いずれの支援策においても共通して重要なことは、借入先金融機関の理解が必須であることです。特にメインバンクとは会社の方向性について十分協議したうえで、これらの支援策を利用してください。

当社では上記のいずれのスキームも豊富な経験があります。
単に金融機関への返済猶予だけでなく、経営体質の抜本的改善のためにこれらの制度をご利用ください。

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