中小企業の経営を支援する施策のなかでも特に人気の、「ものづくり補助金」について今回はご紹介いたします。

名称 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
(平成30年度補正での名称、毎年微妙に異なる)
メリット 設備導入の費用が半額で済む(補助上限額:1,000万円、補助率1/2)

内容

通称「ものづくり補助金」とよばれる当補助金は、毎年正式名称は変わってますが、設備投資に対して最大1千万円の補助が受けられるということで、たいへん人気を集めています。

当補助金は、中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の経費の一部を補助することを目的としています。つまり革新的な取り組みに必要な設備が補助金の対象となり、単に古くなった設備の更新では対象とならないのでご注意ください。

補正予算で行われる事業であるので事務局も毎年公募されていますが、これまではすべて全国中小企業団体中央会が請け負ってきました。
全国中小企業団体中央会

補助金額は、平成30年度補正では補助上限額が1,000万円、補助率が1/2となっています。つまり2千万円の機械に対して1千万円の補助金が支給される形です。
ちなみに補助金の支給は、設備を購入した後となりますので、それまでの資金を準備しておく必要があります。

申請時の注意

当補助金は毎年若干の変更はありますが、申請書の様式は大きな変更はありません。直近の募集はおそらく2月末頃からとなりそれまで公募要領や申請書様式の発表はありませんが、過去のものを参考にして今から準備を進めてもよいでしょう。

参考までに昨年の兵庫県の様式をリンクします。
兵庫県中小企業団体中央会

なお、実際の申請の際は必ず事業所の所在する都道府県の中央会に申請してください。また、申請書もその中央会様式を使用してください(都道府県で若干異なることがあります)。

当記事執筆現在(2019.1.31)では、まだ事務局の募集中であり詳細な発表はありません。動きがあれば以下のリンク先に掲載されますので、随時確認してください。
中小企業庁

採択される秘訣

昨年の1次公募では17,112件の申請に対して採択は9,443件であり、採択率は55%あまりでした。
これを見ると採択は比較的簡単のようにも思えますが、当補助金は同様の形式で長年行ってきたことで、申請書作成のノウハウも広まり申請全体のレベルが年々高まっています。その高いレベルでの競争であるので、難易度は実質的には高まっているといえます。

そんな厳しい競争に勝ち抜いて採択される申請書とはどのようなものでしょうか。これまで私は企業支援の場において多くの申請書を見てきましたが、「採択される申請書」といってもそれは一様ではなく、「こう書けば必ず採択される」という法則のようなものは見当たらないのが実情です。ただ、その中でも最近特に採択に重要と考えられるポイントを以下に記載します。

補助金採択のポイント

1.現場をよく知る人が書く
2.小規模型で申請する
3.機械設備はネットワーク接続する

以下、それぞれについて解説します。

1.現場をよく知る人が書く
申請書には、設備導入にて生産プロセスがどのように革新されるか詳しく記載する必要があります。企業の実際の生産現場は各様であり、たとえ生産の専門家でも1度見ただけではその理解にも限界があります。ものづくり補助金申請書作成においても外部コンサルを使うことが多いですが、この場合は生産プロセスの記述が一般論的になりがちで、企業の特徴や革新性が十分に記載されないことが多いです。つまり専門的な個所については申請者本人が記載したほうが良いケースも多いです。どうしても申請書作成を外注する場合はすべてを丸投げせずに、自社の工程の特徴や生産能力等について十分な資料を提示しましょう。

2.小規模型で申請する
申請企業が小規模事業者(従業員数が製造業は20名以下、以外は5名以下)に該当する場合は、「小規模型」で申請することをお勧めします。小規模型の場合は補助上限額が500万円と半分になりますが、審査における加点項目となります。実際の審査においてどのような加点がされているかは不明ですが、私がこれまで見てきた申請書の内容から判断すると、一般型よりかなり有利に扱われているようです。金額は半分になりますが、確実性を踏まえて小規模型で申請することもご検討ください。

3.機械設備はネットワーク接続する
当補助金は革新的なサービス開発や生産プロセスの改善を支援するものです。しかし現実には「革新的」な取り組みがそうそうあるわけではなく、単なる設備更新と見られないように記載を工夫しているのが実態です。導入予定の設備が一般的なものであっても、それを使ってどのような革新的なプロセス改善を行うかが重要となりますが、設備をネットワーク接続してデータを有効活用するというのも革新的なプロセス改善の一例となります。特に今は製造業のIoT活用が注目されており、設備から収集したデータを経営に生かすというストーリーは比較的取り組みやすいと思います。やや小手先のテクニックになりますが、自社の取り組みがどうしても「革新的」に見えない場合は参考にしてください。

このような申請書の作成の際は、わかりやすく書くことが大事とよく言われますが、私見では分かりやすい申請書は一般論に拠りすぎていることが多いような気がします。もちろん文章を丁寧に書き、構成を様式通りにまとめる等分かりやすくすることは大切ですが、今では申請書全体のレベルが上がっており、単に体裁よくわかりやすく書くだけでは他と差をつけにくくなっています。専門性が高まると難解になるのは当然ですし、分かりやすさを重視して自社の技術の独自性が伝わらなくなるのでは本末転倒です。申請書においては一般論でなく、自社の製造工程の独自の強みや問題点を具体的に記載してください。

まとめ

以上、ものづくり補助金についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
しばらくしたら今年度の募集が始まります。
当記事をご参考にして作成に挑戦されても結構ですし、もしも難しそうだと感じられた方は遠慮なくお問い合わせください。

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※当記事に記載の法令等については、ご自身で確認の上利用してください。
掲載内容に誤りがあった場合も、当社では一切責任を負いかねますのでご了承ください。

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